ゴフ島とイナクセシブル島

ゴフ島とイナクセシブル島

 ゴフ島とイナクセシブル島は、南大西洋上に浮かぶイギリス領のトリスタン・ダ・クーニャ諸島を構成する有人島、無人島の中であって、共に無人島です。
トリスタン・ダ・クーニャ諸島は、アフリカ大陸のケープタウンからは約2800キロ、南アメリカ大陸のリオデジャネイロからは約3350キロも離れた大西洋にあり絶海の諸島です。
トリスタン・ホットスポットの呼ばれるマグマの活動によって約2億年前の火山活動によって出来た島と考えられています。

 まず、1995年にゴフ島が「ゴフ島野生生物保護区」として世界遺産に登録されて、2004年になって、イナクセシブル島が拡大登録され、「ゴフ島とイナクセシブル島」となりました。

 この無人島の2島が、世界遺産に登録された一つ目の理由は、ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むものに該当していることです。
二つ目の理由は、生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるものに該当していることです。

 ゴフ島は、1505年頃にポルトガル人によって発見され、そのときディエゴ・アルバレス島と命名されましたが、その間誰も住む者は無く、200年以上経過した1731年にイギリス船のチャールズ・ゴフ船長に再び発見され、今度はゴフ島と名付けられ今日に至っています。

 クジラやアザラシを捕獲するための船が滞在することはあったものの長期間定住する者が無く、そのため豊かな自然がそのまま維持されています。
1811年以降は、科学者が島に周期的に訪問し、1955年以降は観測施設が作られ、イギリスの科学者によって永続的な観測が行われるに至っています。

 ゴフ島は、年間降水量が3400ミリにもおよび亜寒帯に属する海洋性気候を示し、風も非常に強い気象条件の島です。
そのためか、生態系もほとんど破壊されておらず、ゴフ・ムーヘンとゴフ・バンティングの2種の陸鳥と12種の植物の固有種が生息しています。
また、アルバトロスなどの海鳥が島の断崖に集団で巣を作り、世界最大級の生殖のためのコロニーが形成されています。

 一方のイナクセシブル島には、10種類の脊椎動物と8種類の植物の固有種が生息していると言われています。
イナクセシブル島とは、近寄りがたい島という意味で、その通りの火山性で島の海岸は険しい断崖絶壁が多い島です。

 そのため、イナクセシブル島特有の豊かな自然が残り、3,000羽以上の野生の海鳥が生息しています。
両島では、昆虫学、虫類学、気象学などの研究がすすめられています。