キューの王宮植物園群

キューの王宮植物園群

 イギリスの「キューの王宮植物園群」は、ロンドンの南西部のキューという地区のテムズ川の沿岸にある巨大な植物園で、かつ世界でもっとも有名な植物園として2003年に世界遺産に登録されました。

 「キューの王宮植物園群」は、元々はイギリスの貴族が熱帯植物を集めて個人用の庭園を造ったことから始まり、その後、国王の長男の妃や国王自らが当時の一流の造園家に庭園の拡張を命じ、庭園そのものや関連の建築物が建造されるなど規模を拡大していきます。

 18世紀の中ごろから庭園が作られ始め、1840年には国立の植物園となりました。
そして、当時のイギリスの世界各地に広がる植民地から植物資源を集め、人間の食料として必要となるものの品種改良や、植民地にある植物園との情報交換などを通じ、植物の育成条件が合えば、世界各地の植民地に移植して大量生産を図ることを目的とするようになります。

 そんな研究の成果の中には、中国原産のお茶を、かつてのイギリスの植民地であるインドのダージリン地方やスリランカへ移植させて紅茶として飲用するようになったことや、マラリアの特効薬になるキニーネをペルーからインドで移植させて、簡単に多量に利用できやすくしたことなどがあげられます。

 世界各地に植民地を作り上げた大英帝国の威力で、世界中から珍しい植物を集め、現在の「キューの王宮植物園群」には、4万種以上の植物が栽培されています。

 また、植物の標本が700万点を超えている他、研究所、園芸学校、図書館が併設され、世界でもトップレベルの植物に関する研究が行われ、植物研究の分野で多大な貢献を世界にしています。
そして、世界中から植物に関する研究者、学生がたくさん訪問してくる場所となっています。

 「キューの王宮植物園群」内には、単なる植物園としてだけではなく、園内にはヴィクトリア朝時代に建設された巨大な温室があるほか、宮殿や湖、池、並木道などが芸術的に配置されて、その美しさが他国の植物園のモデルとなったほどです。

 その広さは、現在121ヘクタールで、後楽園ドームの約26個分の広さがあり、その中に24の庭と歴史的な貴重な建築物が調和して存在していることから世界遺産に「キューの王宮植物園群」は指定されました。
尚、園内には1910年にロンドンで行われた日英展示会で造られた日本庭園、京都の西本願寺勅使門のレプリカが存在しています。

 ロンドン市内からも近く、アクセスの便も良いので、年間100万人以上の人が訪れる人気の世界遺産です。
「キューの王宮植物園群」へは、地下鉄ならキュー駅で下車、列車ならキュー・ガーデン駅下車です