オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地

オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地

 新石器時代の遺跡が残るイギリス最北部のオークニー諸島は、一番大きいメインランド島を中心におよそ70の島で構成されていて、スコットランド北端のペントランド海峡よりさらに北側に広がっています。

 このオークニー諸島には、紀元前3000年ごろにつくられたとみられる住居や墓などが発見されている新石器時代の遺跡の宝庫です。
そのため、1999年に「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」として世界遺産に登録されました。

 「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の世界遺産でもっとも有名なのは、メインランド島にあるスカラ・ブラエ(スカラ・ブレイとも発音 Skara Brae)と呼ばれる集落跡です。
この住居跡には、寝室や暖炉まであったことが分かっていて、高度な文明がここに花開いていたことがわかります。

 このイギリスの北に浮かぶ北極圏にも近い厳しい環境の島で、古代の人々がどんな生活をしていたのかと強い想像力をかきたてられる遺跡となっています。

 その他にも「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の遺跡には、マエス・ホウ(メイズハウとも発音 Maeshowe)と呼ばれる円形墳墓や、リング・オブ・ブロッガーやストーンズ・オブ・ステネスなどのストーン・サークルが2つあります。
この4つの遺跡跡が「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の世界遺産に認定されています。全てが、メインランド島にあります。

 このストーン・サークルの一つストーンズ・オブ・ステネスは、紀元前3100年頃のものとみられ、同じく世界遺産に認定されている巨石遺跡である「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」に勝るとも劣らないイギリスで最古の巨石遺跡です。

 また、スカラ・ブラエの遺跡は嵐によって遺跡の一部が偶然、露出したことで発見されたもので、19世紀中頃まで砂に埋もれていました。
砂に守られていたために、スカラ・ブラエの石の住居跡は、極めて良好な保全状態でした。一部の住居の床下には排水設備もあることから、もしかしたら世界最古の屋内トイレが存在していたかと研究者の中には確信をしているとも言われています。
たしかに、極寒の地だけにその可能性は高いのかもしれません。

 調査のため全ての砂が取り除かれたスカラ・ブラエは、この島特有の強風や、雨による浸食が心配されています。北ヨーロッパの新石器時代の高い水準を知ることができる貴重な「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」は保存の対策が考えられています。