ソルテア

ソルテア

 イギリスの世界遺産「ソルテア」は、イギリスの産業革命の時代の19世紀半ばに、実業家タイタス・ソルトが、作り上げた工場とそこに働く労働者に良い労働環境を与えようとして作りあげた街並みと施設の数々が、現代に残っているエリアです。

 世界遺産のソルテアのその優れた計画は、産業革命によって工場の生産力が飛躍的に伸びる時代背景を元に、当時のソルテア以後の産業都市の街作りに多大な影響を与えました。

 このような街作りを実業家のタイタス・ソルトが発想するに至った経緯は、彼が経営するアルパカの織物製品の工場が、イギリスのブラッドフォードという都市にありましたが、そこが大気汚染などの衛生環境の悪化で労働者に病気が増加し、工場の生産性が上がらない問題に直面していたからです。

 通常の経営者であれば、単に工場を他の都市に移転するという発想しか湧かなかったと思われますが、タイタス・ソルトは、元々、何もない場所に最新鋭の工場とエリアを碁盤の目に区切った機能的な街作りと同時に衛生環境が良くなるように清潔で安全性の高い街作りを行いました。

 ソルテアには、850軒の労働者用の住宅の他、労働者が利用できる立派な公民館、病院、公園などの公共施設も建築されました。
 タイタス・ソルトにとって、最終的には生産性を上げて、自分の利益を拡大するためではありますが、産業革命の時代に労働者を使い捨てのようにして、利益確保だけに走らなかった発想と、それを具現化した街が現代に残っているという理由からソルテアは世界遺産に2001年に登録されました。

 世界遺産のソルテアは、イギリス中部のヨーク州にあって、22の街路による都市計画とレベルの高い建築物が調和し、その外観が150年以上も前の面影を残し、歴史的にも重要なヴィクトリア様式の建物が並ぶ景観が残っています。
ソルテアの建設は1853年というから、その頃の日本は、幕末で黒船が来航した時代です。その頃に、近代的な発想による大規模な産業都市がつくられていたというギャップを思い起こしながら、また当時の悲惨な労働者の労働環境を考えながらソルテアの街並みを散策するとソルテアの街がまた違って見えるに違いありません。

 ソルテアはロンドンからは北へ約350キロ程度の距離があります。
ドライブでは厳しい距離ですが、途中、いろいろな場所を見て回るには、車での移動が便利かと思われます。ソルテアの地殻にはマンチェスター、リーズ、ヨークなどの大都市があります。